「アニメソングをチャート1位に」 ハピマテ購入運動は無駄だったのか
■ITmediaニュース:「アニメソングをチャート1位に」 ネット運動勃発
森山直太朗の暴言によってアニオタをも取り込んで盛り上がったハッピー☆マテリアル購入運動。
■購入運動まとめ
注目された6月(5月度)の結果は1位のオレンジレンジには20万枚近い*1大差をつけられての3位でした。
「やっぱりアニソンが1位なんて駄目だったな」
「ネットは嫌がらせなら出来るけど金を直接払わせるのは無理」
「能登かわいいよ能登」
「そんな事をするからアニオタはキモいとしか思われない」
その時には勿論いろんな反応があったわけですが、
ランキングが3位となった時点で購入騒動自体は即失敗として認識されてしまいました。
7月も8月もあるのに、です。
でも、本当に全てが無駄だったの?という事をちょっと考えてみます。
失敗と思われてしまった原因
・期間の短さ
元々は2ちゃんねるのVIP住人から発生した純粋な「祭り」だったわけですが、
そのまとめサイトが出来たのが4月期の販売が終わった5月の中旬頃。
VIPPER以外にも「面白そうだったから一口乗ってみようか」と思われたのは、
やっぱり暴言騒動があったからですが、暴言事件が起こったのが20日。
さらに暴言騒動がネットで知れ渡るまでに6月にほとんどなってしまった。
つまり、絶好の追い風ではあった森山発言から発売までの時間が短く周知も準備も十分ではなかった。
・高すぎたランキング
今までの順位も3,4位につけているので「こんなに売れていたの?」というくらいにランキングが良かった。
だからこそ、1位を狙えるのではないかと周りからの期待が高まったわけですが、
それは同時に「盛り上がったのだからこの順位は確実に越えるだろう」というハードルを自らに課してしまった。
・オレンジレンジが居た週だった
盗作騒動は置いておくとしてもオレンジレンジは若い世代には圧倒的な人気があるのは間違いは無かった。
アンチの協力を得られる相手だったとしても、もし敗北した場合の精神的ダメージは
他の大物アーティストよりは大きくなってしまう。
パクリ疑惑のある相手だからこそ「○○だったら仕方ないか」的な諦めがしづらい相手だった。
本当に全てがうまくいっていたら1位をとれたかどうかは別として、
- 絶好のタイミングのように見えて微妙なズレがあり、
- まとめサイトも購買運動も無かった時と順位が変わらず
- ネット上でのイメージの悪い「若向け」のアーティストに負けた
という三重殺で見事「失敗」のイメージが初回からついてしまい、
「どうせ買っても買わないでも順位は変わらない」という諦めや
「ネット上の運動など無駄」という鬼の首を取ったような台詞を*2言われた訳です。
2位に食い込めればもう一月は夢を見られたかもしれないですけどね。
それでは失敗の表向きな理由はこんな感じでしたが、ちょっと突っ込んで見てみましょう。
何が起こっても6月には勝てなかった
今回は旗印を2ちゃんねる系列のまとめサイトとするユーザー主導の運動でした。
企業が行っても先導は難しい物ですが、それを素人が行うのは更に困難だったんだと思います。
まとめサイトは「アニソンをオリコン1位に」というのが合言葉だったので
6月にいきなり1位を狙ってしまい、皆もその勝負にかけたわけですが…
売れそうな曲なら仕入れておくのは当たり前にしても、アニソンなんか豊富に入れていてオリコン協賛店に
なっている店なんかほとんどありません。つまり、初動4.5万枚というのは初回出荷ギリギリの数値でしょう。
物が無いからそれ以上売れようが無い訳で、購入運動は初回出荷分を完売させただけという結果に。
数十万枚売れると踏んで出荷したものと、5万枚程度出荷して完売した物では勝負になりません。
アピール不足
まとめサイトに書いてはありましたが「予約じゃないと勝てない」という事
つまり「6月はどう頑張っても無理」という事の告知がイマイチではありました。
それはまとめサイト然り、ニュースを扱ったブログやサイト然り*3、です。
みんな購入運動自体は大々的に取り上げはしましたが、「必勝」で逃げ道も無かったので
擁護や考察の反省会で盛り上がった所はそんなに無かったみたいです。
あったとしても購入運動くらい熱心に紹介されることはありませんでした。
淡々と沈静化
購買運動が盛り上がったというのは会社の耳には入っていたとは思いますが、
意気消沈している上にネット上の購買運動などという胡散臭い物に博打で動く会社もそう無いわけで
- 会社は次回から大増産するわけでもなく、キャンペーンをはるわけでもなく放置。
- 残ったVIP住人は「正々堂々と戦う派」と「VIPだから祭り楽しんでこそだろ?派」の確執が拡大し、修復不可能な程に広がった溝にVIP指導者達のテンションもがた落ち。まとめサイトもトーンダウン。
- 残ったのは反対派の妨害にもめげない一部VIPと惰性のアニオタのみ
という「運動」というには微弱な戦力しか残らずに風化していった訳です。
実は結構頑張れたんじゃないの?
7月期勝負だったらわりと頑張れたと思うんですけどね。予約重視で。
結果的にはシリーズ最高の初動とまで言われるほどに売り上げが動いていたのは確かなわけで、
時期を逃したり店頭で買えなかった人に全て行き渡ったらどれくらいの数が動かせたのか。
1000や2000増えたくらいじゃ「シリーズ最高の初動」とか言われないですからね。
ちなみに、Amazonではクラシックアルバムを抜けばオレンジレンジを抜いて堂々1位だったとか。
もっとも、Weeklyになるのであんまり結果は反映されなかったみたいですけどね。
参照
■ぶっちゃけありえない話X→ぶるーすのーと 試合には負けた。勝負には勝ったのか?
ともかく、これから中古CD屋で戦闘用グラップラーのCDよろしく、
店の片隅に山積みになったネギま!のCDを見かけたらこの運動を思い出してやって下さい。
次に続く運動がある時はこの時の教訓を生かして立ち回りが上手くなっていると面白そうです。